アンラ・マンユ

表記

Angra Mainyu

伝承

分類

地母神

解説

アフリマン(Ahriman)、アーリマンとも呼ばれる、ペルシアはゾロアスター教の絶対暗黒神。創造神にして光明神であるアフラ・マズダーの対極に位置する存在で、暗黒と嫉妬と破壊を司る。悪竜アジ・ダハーカ、大魔アエーシュマ地獄の悪魔ダエーワなど、すべての悪を配下に治めていた。
この世が始まる前の戦いでアフラ・マズダーに敗れ、北方にある無限の深淵の暗闇に落とされたが、徐々に勢力を回復し、さまざまな悪をこの世にもたらすとされた。決まった姿があるわけではなく、出現するときは、蛙、蜥蜴など魔性の生き物の姿になった。
その力は虚無に由来するものではなく、悪しきものを創造することによって、アフラ・マズダーの作り上げた善なるものを傷つけるのである。その姿は一定しておらず、変幻自在にして不定である。配下の魔神ダエーワどもを駆使して、この世に悪をばらまく。
アンラ・マンユとは、“悪しき霊”という意味である。光明神側にはそれに対応する天使スプンタ・マンユ、すなわち“善き霊”がおり、アンラ・マンユに戦いを挑む。この二者の関係は、キリスト教におけるサタンミカエルによく似ている。しかし、キリスト教などとは違って、アンラ・マンユは、決して堕天使ではない。純粋なる悪の中から生まれた、悪の権化なのである。

図版

angra-mainyu.jpg

  • 最終更新:2008-08-03 00:16:42

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