アーマゲドン

表記

Armageddon

伝承

分類

解説

ハルマゲドンとも言う。“メギドの丘”と言う意味で、メギドとはユダヤ民族に伝わる古の砦の名であり、古戦場であった。有名なる魔術王ソロモンも、軍事上の要として砦を強化したという記録が残っている。
『ヨハネの黙示録』によれば、最後の審判のとき、全世界の王がメギドの丘に集められるという。そして神の軍と悪魔の軍に分かれ、最後の決戦をする。これより転じて、アーマゲドンは“最終戦争”を意味する言葉となった。
この最後の審判の日には、あらゆる死者が甦り、裁きを受けるという。全ての戒めは解け、獄につながれた魔物も罪人も開放される。
大地は割れ、中から世界の類(レヴィアタンなど)が姿を現わす。空は暗く太陽もも光を失い、星々は天から落ちる。大地は炎に包まれ、そしてその後で海に呑まれて消え去る。
しかしやがて、そこに新しい緑の大地が生まれ、許された人々は、新しき導き手のもとで新たな生を楽しむことだろう。なぜなら降臨者は人々に命の水を与えるのだ。これこそ新しい千年王国の始まりである。
だが、神と悪魔と人間とが戦い合う最終戦争は、何も聖書に限って描かれているわけではない。北欧神話のラグナロクも同系の神話で、神々はヴィーグリーズと呼ばれる野に集い、宿敵の巨人族を迎え撃つという。
アイルランド神話の最終戦争の地はモイトゥラと呼ばれ、ストーンサークルなどが建ち並ぶ古戦場であった。
ペルシアのゾロアスター教では、無限光明神アフラ・マズダと、絶対暗黒神アンラ・マンユとが、九千年紀の最後にこの世を掛けて最後の決戦をする。
仏教においては56億7千万年後に弥勒菩薩が降臨する。
ヒンドゥー教においても、新しい世界を生み出すために、破壊神シヴァはやがてこの世のすべてを崩壊させる。
近世においては、ノストラダムスがかの有名な四行詩を残している。
よく「世界は輪廻する」という。その仮説に従えば、未来の災厄の予言は、過去の大惨事の裏返しでも良いことになる。人類はかつて世界規模の破壊にさらされ、その記憶を予言として語っているのかも知れない。

  • 最終更新:2008-08-05 00:17:41

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